リノベーションの可能性 | 築紡|根來宏典

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2020年1月20日(月)

リノベーションの可能性

1月12日(日)家づくり学校3年生『リノベーション(後半)』の授業がありました。講師は、家づくりの会の佐々木善樹先生。講義と課題提出の前半と、その講評と指導の後半との2回1組の授業。前半のお話は、コチラ≫

 

出された課題は、マンションリノベーションの可能性を考えるもの。オーソドックスな74.7㎡の一室に対し、テーマを自ら設定し、その設定に際立ったデザインを提案するもの。フリールーム、週末を過ごす、時々会う夫婦、趣味・教室・仕事の場として使う、シェアハウスなど、多様な案が出てきました。それぞれについて佐々木先生からの講評があり、その先にある魅力や可能性の暗示を与えてくれたように思います。

 

聞いていて思ったのですが、二通りのタイプがあったように思います。ひとつは具体的な暮らしをイメージした提案。これは個別に設計を依頼された時に有効な解かと思います。もうひとつは万人受けしないニッチな世界の提案。私自身は後者に興味を持ちました。ニッチな世界を、その先に一般化できるかどうか。そういったビジョンが描けなければ、前者同様の個別設計と同じかと思うのです。アイデアを事業化すると言いましょうか、需要のリサーチや掘り起こし、事業収支や生産体制といった供給システムまで踏み込める可能性を持っているかどうか。リノベの世界では既に起こっていますが、そういったプロデュースやブランディングといった戦略がなければ生き残れないように感じてなりません。各々の提案、その集合体としての多様性を通して、建築家の職能の広がりについて考えさせられる有意義な授業でした。