根來宏典建築研究所

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2020年1月15日(水)

温山荘園

紀州・琴ノ浦に建つ『温山荘園(旧新田長次郎別邸)』を見学させて頂きました。大正4年築の主屋は、入母屋と寄棟を雁行させた構成。起伏ある地形を活かし、お庭を見下ろす眺め。床の間廻りは圧巻の重厚感。畳の間にテーブルと椅子の設えに、西洋文化を取り入れた当時の暮らしの様相も窺えます。敷地の広さは18,000坪。潮入式池泉回遊式庭園。橋を渡るように茶室『鏡花庵』へ。足元に目をやると紀州青石の石畳み。これまた見事。たたみ石職人の手仕事の痕跡を感じます。大正9年築の茶室は、茅葺の母屋に瓦の下屋を回した屋根構成。土庇は深く、ダイナミック。閉鎖的な小間の茶室ではなく、近代的で開放的、襖の開け閉めにより構成を変えられる茶室。青石の一枚岩が掛けられた橋『長寿橋』は、西日本髄一。池に据えられた青石の飛石を渡ると、主屋の裏口へ。足を踏み入れてみると、平屋だと思っていた建物は、実は2階建て。起伏ある地形の読み取り方が卓越。手掘りのトンネル、長さは37.7m。そこを抜けると岩場とプライベートビーチ。敷地の最南端、黒江湾を望む位置には『浜座敷』。大正2年築、温山荘園で最初に建てられた建物。軒先からダブルの細い垂木が駆け込む天井。花頭窓も美しい。襖にはコウモリの引手。コウモリは縁起もの。私も探しているのですが、今では手にはいらない代物。ここで実物を見られるとは、、、幸せが舞い込んできそうです。目に映るもの全てが圧巻の設え。学ぶべきことが多く、消化不良、、、また来たいと思える建築とお庭でした。