渋谷区にある『松濤美術館』に行ってきました。現在、開館40周年記念として「白井晟一クロニクル」が開催中。白井晟一(1905-1983)は、京都生まれ、現・京都工芸繊維大学を卒業後、ドイツで哲学を学んだ異色の建築家。個人住宅から公共建築も手掛け、ここ松濤美術館は白井が晩年期に手掛けた建築です。
住宅街に建ち、区立の美術館としては敷地が小さいという制約条件が建築に表れています。地上2階、地下2階の4層構造とし、外部には開かず、真ん中に光井戸を設けていること。有機的プランニングが空間に流れを生み、外壁紅雲石や玄関オニキス天井といった力強い素材が人を包み込みます。また採光を絞った光と陰影のコントラスト、スケール感を伴ったプロポーションに、白井独特の世界観を感じます。
松濤美術館に初めて足を踏み入れたのは、大学2年生の時。当時も感動しましたが、それが何故なのか?分かっていなかったように思います。今は、少しずつ。。。