LDKの時間の移ろい 紡|紀州のセミコートハウス その12 | 築紡|根來宏典

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2021年3月12日(金)

LDKの時間の移ろい 紡|紀州のセミコートハウス その12

リビングからダイニングキッチンを見た日中の様子。LDKの広さは23帖。尺ピッチで連続する紀州ヒノキの垂木が美しい。垂木は外部の濡縁の先まで伸びています。庇は1300㎜出しており、夏は暑い陽射しを遮り、冬は暖かい陽射しを採り込みます。南面の開口部は幅7.2mあるので、外部と一体的に繋がり、空間がより広く感じます。

 

開口部にはロールスクリーンが取付いており、室内側にはそれを隠すためのスダレが下がっております。スダレと言うと、日除けや目隠しとして外部軒下に吊るすものと思われるかもしれませんが、ここではロールスクリーンを隠すために室内側に吊るしています。スダレの色は、垂木に合わせて木肌色でいこうか、床フローリングに合わせてオークのオイル色でいこうか、天井の染極細葭茶糸編に合せて濃茶でいこうか、、、もちろん天然の竹素材。編み方もいろいろ。どれも建物のテイストに合いそうで、嬉しい悩みでした。和の素材でありながら、モダンな発想の設え。

 

キッチンからリビングダイニングを見た夕暮れ時の様子。テレビ台の背面壁には、手づくりタイル。外部には、その並びで流しや外部収納を建築的に設えています。LDK側の外部空間はバーベキューを楽しむパブリックな庭。その奥は、外部収納を目隠しとしたプライベートな(洋室3室が面する)庭として、空間を仕切っています。

 

三匹の猫ちゃんがいるお宅。テレビ台脇には、飾り棚を兼ねたキャットステップ。最上部は、隣の洋室と繋がる開口部。北側壁面には収納量たっぷりな造作家具を設え、棚や鴨居の上は猫が駆け回れるように繋がっており、キッチン側にもキャットステップを設けて、両方向アクセスとしています。

 

ダイニングテーブルを照らすペンダント照明は、和室と同じデザインのものなのですが、コッパ―(銅)ではなく、こちらは真鍮。