根來宏典建築研究所

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2021年2月15日(月)

上段床 紡|紀州のセミコートハウス その5

露地庭を過ぎると、その先にはバーベキューテラス。濡縁は地面から浮いた意匠。和室は一般のフロアレベルより200mm上がっているので、それに伴い生じる濡縁と小間との段差も、浮いたように見せています。バーベキューテラス側から見ると、濡縁と小間とが二段構えで浮いて見えるので、軽快でありつつ、格式高い様相に。

 

利休は、後に「残月亭」と呼ばれる天下人を迎える座敷を作っています。そこに2畳の上段床という設えがあり、座敷全体で見た場合、上段床が大きな床の間のように設えられています。また上段床の角に立てられた柱は、秀吉がもたれて名残の月を眺めたことから「太閤柱」と呼ばれます。

 

その作法を隠喩し、お庭と一体に見た場合、小間自体が床の間に見えるように奥行きある設えにしてみました。

 

陽が沈むと、室内の灯りがバーベキューテラスを照らすとともに、内部の様子が浮かび上がります。キッチンにはビルトインのワインセラー。収容量は34本。ワインはケース買いしても12本ですし、個人住宅としては十分な大きさ。特徴的な機能は、熟成・長期保管に適した温度と湿度を維持(加温あり)でき、さらには庫内の上下で二つの温度に設定できること。つまり、赤ワインと白ワインやシャンパンとを別々に適温で貯蔵することができます。もちろんソフトドリンクも冷やせますね。ドイツ製なのですが、ビルトイン、温度・湿度維持、二つの温度を設定できるワインセラーは、これしかない。唯一無二の優れもの。

 

屋根の棟、軒先の板金の納まりが美しいのですが、写真では伝わりませんね。板金のお話は、コチラ≫