世界の風土に叡智を求めて | 築紡|根來宏典

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2020年11月11日(水)

世界の風土に叡智を求めて

今日は師・古市徹雄先生の一周忌。特別な日なので、師の好きだった会津の冷酒を開けました。奮発して大吟醸。修業時代、会津で交わした盃のことは忘れられません。家で飲むのは大抵は焼酎。一番好きなのは屋久島の三岳。これも師の影響。師は屋久島で2つのプロジェクトを手掛けている関係もあり、三岳は当時の事務所の常備品。独立後、私も屋久島でプロジェクトを手掛けたのですが、完成した写真を持って、師の元を訪れたら、喜んでくれたな。その屋久島レストハウスの紹介は、コチラ≫

 

入所したての頃、私はスタッフというより秘書のような存在。師が事務所にやってくると、第一声が「ネゴロ~」。すぐ師の部屋に駆けつけ、FAXや郵送物の整理、スケジュールの確認。スタッフルームに戻ると、先輩からは「先生の機嫌どう?」「今週のスケジュールは?」と聞かれる。書棚にある膨大な本やスライド。どこに何が仕舞ってあるかも、すべて頭に入っていないと使い物にならない。師が「あれ」というと「これですね」と応える関係。以心伝心ってやつ。一緒に外出する際は鞄持ち。

 

そのうち私も担当物件を任されるようになるのですが、後々こういった時間が役に立つことに。会津での常駐監理を、丸1年と1年半の2物件担当しているのですが、私は師の分身。大きな仕事になると、全てを師に確認することは不可能。ポイント以外、多くのことを自分で判断しないとなりません。勝手に判断して、叱られることは何度もありましたが、、、片腕では役不足、頭脳くらいの気概がないと務まりません。修業時代の後半、私も古株になるのですが、ネゴロの方が早く、言いやすいのでしょうか、最後までパシリのような存在でした。20代、人生を捧げた濃厚な時間。

 

修行とか、師と弟子なんて、今の時代においては死語ですかね、、、心から師と思える人と出会えたことは、私にとっては幸せだと思っています。上の写真は、20数年前、師と一緒に見たカッパドキアの洞窟住居。世界の風土に叡智を求めて。アルバムを見返しつつ、献杯。師の背中のお話は、コチラ≫