茨城県つくば市で手掛けた『つくばの曲り家』を紹介します。お引き渡しをして、一年後の暮らしの様子です。いつもお願いしている写真家・上田宏さんの撮影によるもの。これから数回に分けて、連載したいと思います。
用途地域:なし/市街化調整区域
防火規制:指定なし
敷地面積:324.72㎡(98.23坪)
延床面積:78.67㎡(23.78坪)
構造・規模:木造・平屋建て
当初の建主さんの要望は、農家のような佇まいと平屋。岩手県出身の奥さま、そして岩手の大学で知り合ったご夫婦です。岩手の伝統的な農家といえば『南部曲り家』ですね。曲り家のことは、もちろんご夫婦も知っていて、お話ししたところ「そんな家が建てられると良いですね~」と。曲り家とは、母屋と馬屋がL字型に一体化された形式の家屋のこと。もちろん馬屋を設けるわけではありませんが、L字型プランの伸び伸びとした平屋建てにしようと、土地探しの段階から相談を受けてのスタートでした。農家のような佇まいと言いつつも、それを模倣するわけではなく、それらに影響を受けつつ、思想を受け継ぎながら、現在的な、そしてその家族にあった住まいを目指して進めてきたプロジェクトです。