十四春旅館@冬の京都2020 | 築紡|根來宏典

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2020年2月6日(木)

十四春旅館@冬の京都2020

明治42年(1909)に建てられた京町家。その後『十四春(としはる)旅館』として経営されるようになって68年。客室6室の小さな宿。国の登録有形文化財に指定されています。主屋を奥に引っ込ませ、大きな塀を建てた「高壁造り」。高壁には出格子窓が付いており、街並みのアクセントになっています。門を潜ると、奥の3畳寄付の玄関へと続く延段。右手には露地庭に出られる木戸が付いています。「五月の間(6畳)」から臨むのは、その露庭。飛び石が打たれ、灯篭、出格子窓を内側から臨むことができます。最も大きな「菊の間(13.5畳)」の床の間の設えは美しく、お部屋から臨む中庭には灯篭や手水鉢が配されています。その向こうには土蔵。土蔵の2階は泊まれるお部屋「葵の間(6畳)」に改造され、落ち着いた空間になっています。2階には中庭を見下ろせる「竹の間(10畳)」と、網代天井の元茶室「松の間(4畳半)」、そして「月の間(10畳)」からは露地庭を俯瞰して見ることができ、高壁や露地庭の構成がよく分かります。