岡倉天心@歴史から考える その2 | 築紡|根來宏典

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2019年12月5日(木)

岡倉天心@歴史から考える その2

続いて訪れたのは、茨城県の五浦にある『天心遺跡』。岡倉天心(1863-1913)が最後の10年を過ごした住処。長屋門を潜ると、天心邸へと下る露地。深い谷あいを抜けるような景色で美しい。足を進めると、海への視界が開けます。長屋門、天心邸、六角堂は、国の重要文化財に指定。ただ六角堂は東日本大震災の津波によって流失したため、その指定から外れています。平成24年に再建。元は明治38年に建てられたもので「観瀾亭(かんらんてい)」と名付けられています。簡素な作りではありますが、炉と床の間を設え、仏堂と茶室を融合させた造りで、その精神性を感じさせます。天心が太平洋の波の音を聞きながら、思索にふけった場所だそうです。五浦で天心と共に過ごした横山大観、下村観山、菱田春草、木村武山。彼らの葛藤と師弟愛の映画『天心(2013)』のセットも残し、公開。天心と九鬼周造との関係は、勉強不足で知りませんでした。「茶の本」と「いきの構造」随分と前に読んだのですが、改めて読み返してみようかなと。そういえば上野の不忍池の畔には、横山大観の旧宅兼画室がありますね。コチラ≫

 

もうひとつシークレット企画で住宅を見学。斬新な構造形式。個人住宅ということで露出は控えたいと思います。大型バスを借りきってのツアー。行きのバス車内では、山本先生による我が国の建築の変遷の講義。外来様式の導入による構造の変化、技術の発展による変化、都市の成立に伴う法規制による変化を解説。平安時代、明治時代、現代の建物を現地見学し、帰りのバス車内では、その感想や意見交換会。ひとり旅も良いのですが、皆で巡る旅は、ひとりでは見れない所を見学できたり、気付いていないところを知り得たりと、意義あることも多いですね。たいへん充実した時間となりました。