高麗茶碗 | 築紡|根來宏典

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2019年11月14日(木)

高麗茶碗

日本橋・三井記念美術館で開かれている『茶の湯の名椀/高麗茶碗』に行ってきました。高麗茶碗と呼ばれますが、朝鮮時代に焼かれたもの。展示は3部構成。一部「茶の湯が見立てた高麗茶碗」。日常の器の中から選ばれた侘び茶の茶碗で、16世紀に焼かれたもの。作行きによって細かく分類され、三島、刷毛目、粉引、井戸、蕎麦、斗々屋、熊川、割高台など、16種類ほど。二部「日本向けに焼かれた茶の湯の茶碗」。茶の湯の流行と共に新しい茶道具が求められ、16世紀末~17世紀初めに焼かれたもの。御所丸、彫三島、伊羅保、金海など。三部「御本茶碗と半使茶碗」。朝鮮王朝との窓口であった対馬藩が関係するもので、17世紀~18世紀中頃に焼かれたもの。

 

作行きごとの特徴を捉えつつ、一椀ごとに異なる形状、釉調・釉色、轆轤目などの詫び感に「うぁ美しい!」と声を上げつつ、その奥深さを感じてきました。

 

 

三井記念美術館が入っている三井本館は、昭和初期を代表する洋風建築。国の重要文化財。関東大震災を教訓に、昭和4年(1929)團琢磨氏の決断の下、関東大震災の2倍の地震にも耐えうる建物として建設。建設費は、当時の10倍を費やしたそうです。

 

美術館の中には、三井家にゆかりの国宝茶室「如庵」の室内を精巧に再現(常設)。如庵は織田有楽斎が京都・建仁寺境内に1618年頃に建てた茶室ですが、明治41年(1908)に三井家の所有となり東京・麻布の三井邸内に移築、昭和12年(1937)から5年の歳月をかけ大磯の三井家別荘に移築、昭和40年に名古屋鉄道に売却され、現在は愛知県犬山市に移築されています。今回は、かつて有楽斎が所持していた高麗茶碗「大井戸茶碗 銘 有楽」が茶道具の取り合わせとして展示されていました。如庵のお話は、コチラ≫