無鄰菴の離れの茶室。三畳台目の主座、二畳中板敷、三畳の3つの間と水屋を一つの建築で構成。明治28年頃に無鄰菴の築造にあわせて移築されたもの。見ごたえある茶室。母屋の座敷(カフェ)やお庭は人が多いのですが、茶室は見学ルートの裏手にあるためか見学者の目も惹かず、、、独占状態で見学できたのはラッキー。茶室には作法があり、3つの間を有機的な繋がりで成立させるには、相当のプランニング力と、駆け込み天井などの軸組を活かした造形力が必要かと思います。
三畳台目の間は、織部好みの代表的茶室・薮内家燕庵を模したもの。相判席を備えたゆとりある空間は、利休とは対照的であり、貴人を迎えるに相応しい武家茶匠好み。これに山縣有朋は、勾欄の付いた広縁「月見台」を設け、そこから臨む景色を楽しんだそうです。