鹿沼市で山登りの後は、宇都宮市の地下に潜ります。
大谷石の採掘場は地下掘り。
大谷資料館(採掘場跡地)を訪れたことのある方も多いかと思いますが、
こちらは現在、掘り出されている現役の採掘場。
とても危険な場所ですので、もちろん一般の方は立ち入ることはできません。
今回、幸運にも我々は見学することが許されました。
地面を掘れば、すぐに大谷石が出てくるわけではありません。
7m×7mのコンクリートで固められた立坑。
そこを地下深くへ向かって、どんどん下りていきます。
コンクリート擁壁と大谷石岩盤との境界。
ここから先は、一気に暗さ、寒さ、湿度が増していきます。
岩盤からは湧水もどんどん滴り落ちていきます。
地下50mの平場に到着。その平場が前後左右に広がり、さらには下へと、、、
奥深く広がる世界は、まるで迷宮都市。大谷石を掘り出している洞窟です。
私自身ここに初めて降り立ったのは、
こちらの採掘場の掘り起こしが始まった翌年の7年前です。
現在は作業用のエレベーターで上り下りできますが、
当時は危険な足場を伝って、恐怖、寒さ、疲労による足の震えに堪えながら
下りてきたことを鮮明に思えています。
その後どんどん広がる地下空間の風景には、驚愕させられます。
足場は悪く、光は届かず、寒くて、水が滴り落ち、掘削音だけが響く世界。
そこに身を置き、投光器を照らし、石を切り出す風景。
切り出される原石のサイズは、300×300×900mm。
その重さは、およそ140㎏。
今ではチェーンブロックで引き揚げられますが、
昔は一人一本を背負って担ぎ出していたそうです。
地下空間で働く方の生の声を聴くことができて感動しきりの一行。
働いている方たちは、若者の来客を喜んでいるようでもありました。
あまりの過酷な採掘現場を後にし、地上に上ると緊張が解けてホッとします。
大谷石は、塀や蔵に用いられる石として知られていますが、
フランク・ロイド・ライトが旧帝国ホテル(1923)で使用したことにより、
素材としての魅力が高まりましたね。
こちらは、その旧帝国ホテルで用いられた大谷石の採掘場跡地です。
江戸時代後期から掘られていた大谷石。
明治から盛んになり、昭和40年頃の最盛期には120ヵ所程あった採掘場。
現在はわずか8ヵ所しか稼働していないそうです。