西川材 その1 山を知る | 築紡|根來宏典

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2017年11月27日(月)

西川材 その1 山を知る


11月18日(土)は、家づくり学校2年生の第6回目『木材』の授業でした。

訪れたのは埼玉県飯能市。目指すは西川材。引率講師は家づくりの会の松澤静男先生。
西川材とは、飯能市、日高市、毛呂山町、越生町で産出される杉やヒノキの総称。
西川という地名があるわけではありません。
江戸時代「西の方から来る良質な材」なので、西川材と呼ばれるようになったのだとか。
昔も今も、ブランド材なのです。

西川材は、丁寧な育成作業により、無節の優良材を生産しているのが特徴。
その流通手段は、荒川水系を伝って筏で運ばれておりました。
上の写真は、降り立った駅近くの高麗川(こまがわ)。のどかな風景ですね。
荒川の支流が入間川、そのまた支流が越辺川、そのまた支流がこの川になります。

木材を知るには、まず山を知ることから。
見学先が一緒になったS女子大学一行さんとともに、山へと歩みを進めます。

山のことを熱く語るのは、NPO法人西川・森の市場の代表理事でもある木楽里の井上さん。
この山の持ち主でもあります。井上さんのお話は、コチラでも≫
枝打ちのこと、立て木のこと、色艶のこと、なぜ良質なのか、諸々。

西川材が植わっているのは、杉:ヒノキ=6:4。
山の上の方には松、中間にはヒノキ、下の方には杉が植わっているそうです。
これは水の吸い上げが関係するからであり、製材時の含水率にも係わってきます。
杉は個体差が大きく、品質にバラつきがありますが、それが個性であり面白いのだとか。

秋から冬が「切旬」です。大木が倒れる瞬間は圧巻、伐採の風景を目に焼き付けます。
木材を買ってもらう、そのお金を山に還元する、整備することによって、
美味しい水が暮らしに届き、土砂崩れを防いでくれる。すべて繋がっています。

根來宏典建築研究所