昨日ご紹介した『前川國男自邸』、小金井市の「江戸東京たてもの園」に建っています。
災害や経済的理由から失われていく文化遺産。
そんな文化的価値の高い歴史的建造物を移築し、復元・保存しているところ。
前川國男自邸は、1942年に品川区上大崎で建てられ、こちらに移築復元したものです。
園の広さは、約7ヘクタール。
その中に、30もの復元建造物が建っております。
もう楽しくて、楽しくて、、、一日居ても飽きません。
上の写真は『小出邸』といい、数寄屋造りに美を見出した建築家・堀口捨巳(1895-1984)
がヨーロッパ旅行からの帰国直後に設計した住宅。1925年に文京区にて。
当時のオランダの流行と、日本の伝統との折衷様式です。
こちらは、1922年に昭島市にて建てられた『西川家別邸』。
北多摩屈指の製糸会社を設立した実業家の隠居所兼接客用の住まいです。
軒先には風鈴が連なり、風通しの良さを感じる佇まい。
そういった明治、大正、昭和初期の住宅もあれば、江戸時代の住宅もあります。
こちらは『綱島家(農家)』、江戸時代中期の茅葺の民家です。
内部には土間や竈などがあり、当時の生活模様を垣間見ることができます。
住宅だけでなく、生花屋さん、お醤油屋さん、乾物屋さん等もあり、当時の暮らしの様子を伝えます。こちらは明治初期に創業した文具店『武居三省堂』で、1927年に千代田区神田に建てられたもの。当初は書道用品の卸から始まり、後に小売店に変わったそうです。
ランチは、ここで。
蔵の中で、武蔵野の伝統の味を伝える「手打ちうどん」が戴けます。
瘦せた土地であったために生み出された庶民の味なのだそうです。
ここを訪れると、暮らしの豊かさとは何かを考えさせられます。
家づくりを考える際、最新の設備や建材で豪華さを増した住宅展示場を訪れる方も多いかと思います。まずはこちらに来て、住まいの本質とは何か?を再考するところから始めてはどうでしょうか、、、