卵の殻 その1 壁紙 | 築紡|根來宏典

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2016年6月24日(金)

卵の殻 その1 壁紙


昨日、建築知識7月号の特別付録DVDのお話をしましたが、その工場潜入のお話し。
DVDでは時間の関係もあり、かなり割愛されているので、少し補足です。

こちらは、大阪市和泉市にある壁紙の工場。
壁紙といいながらも、左官材がたくさん積まれております。
壁紙にも、散布系、塩ビ系、紙系、織物系などがあり、
こちらの工場は、散布系を得意としております。

私は、卵の殻をリユースした塗料を壁に塗ることが多いのですが、
こちらは、その卵の殻を壁紙にする工場です。
塗り壁を壁紙にするという発想、試みは面白いと思います。

パウダー状になった卵の殻。
卵の殻だけだと、こんなに白くならないので、酸化チタンを混ぜて白くしているそうです。
卵の殻は94%が炭酸カルシウムで出来ており、多孔質。
その小さな穴(気孔)が湿気を吸収したり、臭いを吸着してくれます。

壁紙に卵の殻を散布する製造現場の様子。
散布した卵の殻が、ボロボロと剥がれ落ちないように、
じっくり、丁寧に、時間を掛けて散布していく工程です。

最後はロールに巻かれて、箱詰めされ、現場に届けられます。
現場で壁に貼る際にも、自然素材にこだわるなら、
ボンド系の糊ではなく、でんぷん系の糊で貼ることがお薦めだそうです。

こちらの工場長はユニークな方で、お話ししていると楽し過ぎて、話が尽きません。
卵殻と卵殻膜を分別するのに苦労したとか、、、
卵の殻の粒子のサイズを決めるのに苦労したとか、、、
卵の殻以外にも、いろんな廃棄物を試してみたりとか、、、

卵の殻は、最近では、黒板用チョークやグラウンド用白線にも活かされているとのこと。
リユースといった環境資源のこともありますが、口に入っても害がないことがメリット。
ただ芝生に卵の殻の白線を引くと、そこだけ芝生の成長が早くなるそうですよ(笑)

根來宏典