これから工事が始まる住宅の確認申請が下り、昨日受け取りに行って参りました。
この確認済証を頂くのが、結構大変で、設計者としてもドキドキして待っているのです。
耐震偽装問題による確認申請の厳格化は、記憶に新しいですよね。
悪いことをしているから、ドキドキしている訳ではなく、
もちろん建築基準法を守っていれば良い訳ですが、
法の解釈を間違えることもあれば、審査する建築主事との見解の相違もあります。
人間が設計している訳ですから。
場合によっては、計画を見直すことにも成り得ませんからね。
耐震偽装問題直後の審査が、特に厳しい時期ですが、
実は私も一度、申請を取り下げ、再度、確認申請を出し直した経験もあります・・・。
こちらは、確認申請時に提出する構造計算書。
一般の方が目にする機会は少ないと思いますが、分厚いでしょう!
地下1階、木造3階建ての住宅ですよ。
マンションや大型物件なら、もっと分厚くなります。
偽装があったら、どうやって偽装を見破るのでしょう・・・不可能に近いかと。
「設計」は法を遵守する必要はありますが、
「設計者」は法に縛られるのではなく、もっと信頼されて、自由な存在になりたいものです。
私どもの事務所では、確認申請期間を1カ月と想定させていただいております。
一か月も待つの、一般の方にはご理解得にくいですが、仕方ありません。
いつもお待ちいただいている建主さんには、感謝です。
ここにも、建主さんと設計者との信頼関係が必要かと思います。
ちなみに、この構造計算書をチェックしていただいた審査機関の構造担当者は、
仕事に追われ、毎日朝4時まで仕事しているのだとか・・・ありがとうございます。
こんな確認申請システムで、日本は大丈夫なのかな???と心配になります。
近年、確認申請が通っていれば大丈夫、審査が厳格化されたから大丈夫という声をよく聞きますが、
本当に大丈夫なのでしょうか・・・。
法で規制することには、限界があります。
建築は現場でつくるものです。設計者の地位や信頼を高めることが最重要です。
第3者機関を強化しても設計者の信頼は高まりませんよね。