続いて訪れたのは、『金子製材』さん。
素材生産者(キコリ・上林さん)から木材を受け取り、
それを製材・乾燥をして工務店に受け渡すのが金子さんです。
金子社長には、丁寧かつユニークに製材の品質管理についてお話いただきました。
金子さんの所は、このようにコンピューターにより品質管理されております。
中でも含水率とヤング係数の管理は重要です。
含水率は、木材の内部に含まれる水分量。ヤング係数は、木材の強さを表す単位。
乾燥工程完了後、含水率とヤング係数を調べて表示することをグレーディングと言います。
金子さんの所では、全品グレーディングを行っております。
実は、この全品グレーディングを行っている製材屋さんは、殆どありません。
金子製材さんは、JASの認定を受けている先進的な製材屋さんなのです。
木材の乾燥は、殆ど乾燥機で行われるのですが、
天然乾燥させると4寸角の材で2年は掛かります。
一般住宅を作るのに、そんなに待てませんし、経費も掛かってしまいますよね。
乾燥機を使うと、下の写真の様な細かな割れが生じ易くなります。
だからと言って強度が落ちる訳ではありません。
逆に割れ易いということは、強度が強い木材ということでもあるのです。
割れている部材は見えない個所に、割れのない部材は見える個所に。
適材適所で使うことが、日本の森林を守ることに繋がるかと思います。
梁材です。右上2段目の材ですが、角が皮つきで、欠けておりますよね。
強度の話をすると、この方が強いのだとか。木材は、赤身より白太の方が強度が強い。
つまり、木の周辺部(白太)が多く残っている方が強いという訳です。
このような皮つき材を、梁として使うと、個性的で美しいですね。