
門の向こうに端正な空間が待ち受けているのが垣間見え、期待感膨らみます。
客をもてなす前庭としての存在。
まず思い浮かべるのが、重森が大きな影響を受けた龍安寺の石庭。
面白いのは、石の数が15ということまで龍安寺の庭を踏襲していること。

龍安寺は、3方を塀で囲むことによって出来る自然界との隔絶。
ここでは、背後に迫る自然との融合。
壁の代わりに設けられた見事な石楠花(シャクナゲ)。
高野山はシャクナゲの名所でもあります。見ごろは、開花する5月上旬だそうです。

横から見ると、石組が直線状に配置されております。しかも奥行きが狭い。
この人為的に配置された石組が、自然を背景にしながらも、
石組の力強さとか、空間の厳粛さに繋がってように思います。

重森は、龍安寺を参考にした庭を沢山つくっております。
しかも龍安寺を超えるべく、オリジナリティに溢れ、どれも個性的です。
その中で、この桜池院の庭は最も忠実に踏襲しているようで、これまた個性です。

庭のことは、全くの素人だとか。砂紋を描く、この道具も手づくりとか。
と自慢げにお話下さいました。この庭を心底愛しているように感じました。


