京都大学近くにある大正2年(1913年)創業の老舗『進々堂』で昼食を済ませ、
京大構内を通り抜け、次に向かったのが、
今回の庭園視察のメイン『旧重森邸(現・重森三玲庭園美術館)』です。
重森三玲(1896‐1975)は、昭和を代表する作庭家。
石組と苔で表現された枯山水が彼の意匠『永遠のモダン』です。
上の写真は、木戸をくぐって、最初に目に飛び込んでくる風景。
それは、それは見事な庭園で、私はその衝撃に心奪われました。
『無字庵』内部から庭園を見た様子。
反対側に位置する床の間の掛け軸には、「林泉」という文字が書かれておりました。
日本庭園の正しい呼称で、古い語だそうです。
『好刻庵』内部の様子。
市松の幾何学模様で自然を描いた大胆な襖が印象的。床の間も素晴らしい。
庭を構成する要素としては、州浜、築山、敷石、飛石、竹垣、腰掛待合、蹲、等々。
さらには内部空間との関係で考えると、床の間、襖、にじり口、等々。
さらに、さらには外部空間との関係で考えると、周囲の「借景」など。
う〜ん。日本庭園って、凄い!
重森三玲は、庭園だけでなく、建築、書院、茶室も作っている。
旧重森邸は、吉田神社の社家である鈴鹿家より譲り受けたものですが、
上の二つの写真の『無字庵』と『好刻庵』は、三玲自身が新たに設計した建築。
建築と庭園とが融合した見事な事例でした。