根來宏典建築研究所

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2018年8月1日(水)

地下50mに広がる迷宮都市

鹿沼市で山登りの後は、宇都宮市の地下に潜ります。

 

大谷石の採掘場は地下掘り。

大谷資料館(採掘場跡地)を訪れたことのある方も多いかと思いますが、

こちらは現在、掘り出されている現役の採掘場。

とても危険な場所ですので、もちろん一般の方は立ち入ることはできません。

今回、幸運にも我々は見学することが許されました。

 

地面を掘れば、すぐに大谷石が出てくるわけではありません。

7m×7mのコンクリートで固められた立坑。

そこを地下深くへ向かって、どんどん下りていきます。

 

コンクリート擁壁と大谷石岩盤との境界。

ここから先は、一気に暗さ、寒さ、湿度が増していきます。

岩盤からは湧水もどんどん滴り落ちていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地下50mの平場に到着。その平場が前後左右に広がり、さらには下へと、、、

奥深く広がる世界は、まるで迷宮都市。大谷石を掘り出している洞窟です。

 

私自身ここに初めて降り立ったのは、

こちらの採掘場の掘り起こしが始まった翌年の7年前です。

 

現在は作業用のエレベーターで上り下りできますが、

当時は危険な足場を伝って、恐怖、寒さ、疲労による足の震えに堪えながら

下りてきたことを鮮明に思えています。

 

その後どんどん広がる地下空間の風景には、驚愕させられます。

 

足場は悪く、光は届かず、寒くて、水が滴り落ち、掘削音だけが響く世界。

そこに身を置き、投光器を照らし、石を切り出す風景。

 

切り出される原石のサイズは、300×300×900mm。

その重さは、およそ140㎏。

今ではチェーンブロックで引き揚げられますが、

昔は一人一本を背負って担ぎ出していたそうです。

 

地下空間で働く方の生の声を聴くことができて感動しきりの一行。

働いている方たちは、若者の来客を喜んでいるようでもありました。

 

 

あまりの過酷な採掘現場を後にし、地上に上ると緊張が解けてホッとします。

 

大谷石は、塀や蔵に用いられる石として知られていますが、

フランク・ロイド・ライトが旧帝国ホテル(1923)で使用したことにより、

素材としての魅力が高まりましたね。

こちらは、その旧帝国ホテルで用いられた大谷石の採掘場跡地です。

 

江戸時代後期から掘られていた大谷石。

明治から盛んになり、昭和40年頃の最盛期には120ヵ所程あった採掘場。

現在はわずか8ヵ所しか稼働していないそうです。