あの日3.11が近づいてきました。仙台に行って、建築巡りをしようか、観光をしようか、、、我々の選択は、荒浜に行くこと。ひとりの学生は即「行きたい」、ひとりの学生は「???ついていきます(悩むことなく)」と。前者は静岡の海辺に実家があり、後者は海なし県の滋賀から通っている学生。仙台駅から電車とバスで40分ほど。車窓より、かさ上げ道路や津波避難施設を眺めつつ到着。あれから13年。かつてここに人の営みがあったのか、、、思えない。震災遺構の荒浜地区住宅基礎や荒浜小学校からは、津波の脅威が伝わってきます。慰霊碑に手を合わせてきました。何か会話をするでもなく、無言の時間。胸が締め付けられる思い。東北に行かないと、現地に行かないと学べないことがあります。
学生への設計指導で私が常に言っているのは「賞を獲るためにやるな」そして「自己主張的な建築をつくるな」と「自分の世界にこもるな」ということ。建築の社会性を問うてほしい。人の痛みがわかる設計者になってほしいと思っています。