おわりに 紡|紀州のセミコートハウス その16 | 築紡|根來宏典

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2021年3月26日(金)

おわりに 紡|紀州のセミコートハウス その16

家にいる時間が増えた今日この頃。濡縁で寝っ転がって読書したり、湯船に浸かって心身を癒したり、家族や親しい知人とお庭でバーベキューしたりと、この家を建てて本当に良かったと喜んでくれています。

 

お庭に向かって開放的な住まいですが、建築的につくったベンチ・流し・物置、また板塀が目隠しになり、周囲からの視線があまり気になりません。また適度なスケール感で囲われているので心が落ち着きます。内外が一体的に広がる空間なので、見た目は大きいように感じるかもしれませんが、40坪弱の住まいという意味では、実質それほど大きくはありません。その分、敷地にゆとりが生まれ、外部の環境を感じることによって、心にもゆとりが出来たのではないかと思います。予算的にも、大工、職人、素材生産者方々の技術と心意気に配分できたかと思います。

 

 

『紡|紀州のセミコートハウス』というネーミングですが、紀州は立地、セミコートハウスは建物形態を指しますね。その前に”紡”の文字を冠しました。田園と新興住宅地、家と庭、住人と客人、ハレとケ、和と洋、職人技術の新旧、素材の産地、、、人と人、人と場所、人と記憶、そして未來へ。そういった様々な事象を紡ぐ。そんな思いを詰め込んだプロジェクトでした。それを実現できたのは、現場監督はじめ、それをサポートしてくれた施工会社皆さまのお蔭です。

 

これで一通りの紹介は、お終いにしたいと思います。出身地・和歌山で初めてのプロジェクト。最後になりましたが、私自身と故郷とを紡いでくれた建主さんには、心より感謝しています。