根來宏典建築研究所

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2019年5月29日(水)

猪股邸

世田谷区成城の一角に建つ『猪股邸』。600坪の土地に、100坪の平屋。設計は数寄屋建築を独自に近代化した建築家・吉田五十八(1894-1974)。竣工は1967年。奥座に位置する書斎と一畳台目の茶室は吉田没後、お弟子さんの設計によるもの。

特に上手いな~と思うのは、前庭のスケール感。広い敷地でありながら、その奥行きを抑えています。数寄屋ならではの軒高を抑えたプロポーション。アプローチは回り込むように計画され、回遊することによってレベル(地盤高さ)を解消しつつ、躍動感を持たせています。離れへと至る45度振られた渡り廊下が建物形態として表れ、公私を分ける機能を果たすとともに、前庭を流れるような空間として仕立てています。

ダイナミックな開口部とそのディテール、二つの坪庭、広間、書斎、一畳台目の茶室、藁入り土壁、離れの四畳半の茶室、、、庭園に配された露地も美しい。創意工夫の結晶。学ぶところ満載の建築です。