『紀州の家』の天井に使う素材のサンプルです。
今回使わせて頂くのは左下「染極細葭茶糸編」。文字通り、染めた極細の葭を茶色い糸で編んだもの。昨日お話した紀州材の垂木と垂木の間に見える野地板に仕上げ材として張ります。成240mmの垂木が一尺(303mm)ピッチで架かっているので影になる部位。紀州材をより惹き立たせるのが目的で、こちらは野地板面にひっそりと佇ませます。でもよく見てみると「こだわった素材を忍ばせているな」と。和室はもちろんのこと、LDK、玄関、廊下などにも大胆に張ります。手の込んだ仕事になるので、大工さん泣かせではありますが、、、出来栄えは感動すること間違いなし!
いわゆる数寄屋素材なのですが、和風を目指しているわけではありません。日本が育んできたモノづくりの文化を継承しつつ、現代的でモダンな様相に仕立てます。
サンプルというと気軽に手に入る世相ではありますが、こちらは本気の人にしか提供してくれない代物。
サンプル自体が工芸品といいますか、、、大量生産できるものではないゆえ、価値の高いもの。
我が事務所のコレクションとして、大切に保管させていただきます。