足利学校と昭和保育園@歴史から考える | 築紡|根來宏典

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2018年11月29日(木)

足利学校と昭和保育園@歴史から考える

続いて訪れたのは、鑁阿寺のそばにある『足利学校』。

 

日本最古の学校。大正10年に国の史跡に指定されています。

学校門、杏壇門、孔子廟などは、1668年に建てられたもの。

方丈、庫裡、書院、衆寮などは、1990年に復元されたものです。

 

創建年代については諸説あるようですが、

いずれにせよ350年も前に、この規模の学校があったことは驚きです。

 

 

 

 

 

こちらは、足利学校近くにあった古い住宅の石塀。左手の縞々の石は、初めて目にした石。帰って調べてみると「伊豆石」ではないかと思われます。伊豆石というと、よく温泉の床に敷かれている青石ですが、近年は採取されなくなりました。似ている青い石では十和田石をよく見かけますね。その伊豆青石とは印象が異なりますが、斜交葉理(地層の模様)を有する伊豆石もあるようです。

 

右手の石は「大谷石」に見えますが、上品な表情からいって「深岩石」と思われました。が、、、左手の石が伊豆石とすれば、こちらも同じ産地の伊豆青石なのかもしれません。伊豆石、深岩石、大谷石、十和田石は凝灰岩で柔らかい石。コーナーには硬い「御影石」が使われています。古建築もそうなのですが、石の産地や流通の歴史に思いを馳せることは楽しいことだと思います。

 

 

最後に訪れたのは、群馬県桐生市にある山本先生設計の『昭和保育園』。

 

もちろん伝統的な作りではありませんが、

古建築に精通した建築家が設計した保育園ということで興味津々に拝見。

 

古建築というと、現在の一般住宅とかけ離れた存在のような印象を持っている人もいるかもしれません。しかし通史で考えた場合、これら技術の発展の上に成り立っているものであり、現在に通づるものとして身近に感じられるものかと思います。

 

伝統的なものは特別なものとして捉えられ、現代のモノづくりとは切離れた感のある昨今ではありますが、襟を正して、真摯に向き合おうと思える一日となりました。