崖地に舞い降りた木の葉 | 築紡|根來宏典

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2017年6月28日(水)

崖地に舞い降りた木の葉


総会の前、役員は会場の設営準備などがありますので早出をします。

その前に腹ごしらえ。
訪れたのは、崖地に木の葉が舞い降りたような小さな建築。
料理研究家・ホルトハウス房子さんのお店。
建築家・齋藤裕氏が20数年前に設計したケーキ屋さんです。

アプローチの階段を下り、玄関扉を開けると、
宝石の中に入り込んだような光景が目に飛び込んできます。
その感動に足を止めるとともに、眼下に広がる空間へと足を進めたくなる衝動。

総会に向けた事前打合せをしようと思っていたのですが、、、
優雅に広がる景色を前に、優雅な空間と時間を身を置いて、、、
ハイ、チマチマとした話は、野暮というものですね。

メニューは、チーズケーキかチョコレートケーキ、コーヒーか紅茶のみ。
チーズケーキは、房子さんが35年ほど前、こだわり抜いて作り上げたそうです。
濃厚で滑らか、日本一のチーズケーキ、忘れられないお味、リピート必至です。

糖分を補充し、豊かな心で総会を迎えることができたのでした。

さて建築的なお話を少し。
こちらの建物の優雅さを実現している要素に欠かせないのが建築金物。
手摺、ハンドル、家具だけでなく、サッシも手づくりの建築金物です。

昨年のこと、こちらの金物を製作している工房を訪れました。
その職人さんたちの顔と製作風景を目の当たりにしているがゆえ、なお感慨深い。
手づくりの痕跡がある建物は、ものづくりの現場を思い浮かべることができます。

オーナーや設計者のみならず、職人さんたちのこだわりも詰まった建築に思いを馳せ、
不変の価値を感じた次第です。

根來宏典建築研究所