戦利品@京都 ウラン硝子の電傘 | 築紡|根來宏典

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2017年4月26日(水)

戦利品@京都 ウラン硝子の電傘

戦利品をもうひとつ。大正時代に作られたウラン硝子の「電傘」です。

 

フリルの付いた小ぶりな電傘、微妙な透明感、その形態と素材感が美しい。ソケット部分は真鍮。3つのビスを緩めて、電傘を簡単に取り換えることができます。事務所をこのアトリエに移転して丸2年、探し求めていた照明器具が見つかりました。

 

さてさて、ウラン硝子をご存知でしょうか、、、着色剤として、微量のウランを混ぜたガラスのこと。ウランガラスはドイツ語読み、英語ではバセリンガラスと呼ばれるそうです。

 

ウランは1789年に発見され、当時はガラスの着色材として考えられていたそうです。その後は、ご察しの通り、原子爆弾に使えることが分かり、、、ウランガラスは、今でもチェコとアメリカで極少量ですが作られているとのこと。

 

日本でも大正から昭和初期(戦前)に掛けて、一時的に製造されました。それらの多くは食器。つまり、日本製のウラン硝子の電傘は、めったに出て来ない代物なのだそうですよ。

 

電球は、透明ガラスのベビーボール。10Wを使用。ほんのりとした灯りが、また美しい。そして、これはウラン硝子の特徴なのですが、紫外線が当たると、青緑の光を放ちます。朝焼けや夕焼け時、紫外線が満ちた時に起こる幻想的な現象。こちらの写真は、ブラックライトを当てた様子です。

 

時間帯、電気の付け消しによって、いろんな表情を見せてくれます。この子にすっかり魅了され、これは連れて帰らねばと、、、清水の舞台から飛び降りました。