2月18日(土)は、NPO法人「家づくりの会」が主催している
第8期家づくり学校4年生の最終発表会でした。
課題は、予算1億円住宅の設計依頼が来た時、どうするか?
1億円と聞いて、皆さん、どう思うでしょうか、、、
舞い上がることなかれ、冷静に判断・分析し、対峙することが大切かと思います。
目白という地域に、大蔵官僚だった祖父が残してくれた土地。
立地柄、家系柄、佇まいにもそれらに見合ったステータスが求められます。
家族構成は、祖母1人+両親2人+夫婦2人+子供2人の4世代。
グランドピアノのための防音室は必需。
駐車場は最低2台、できれば3台。最低屋根付き、できればインナーガレージ。
予算の中には、外構、消費税、設計料も含まれます。
課題はもちろん仮想なのですが、これら要求に対してリアルな提案ができるか?
私は、かなり難しい要求だと思います。
課題出題者は、泉幸甫校長。司会は、石黒隆康4年生主任によって進められました。
家族構成や必要諸室が多い分、難しいプログラムになっているのですが、
プランが解けるだけでは、リアルな提案とはいえません。
空間性を伴うデザイン、快適さ、動線計画への期待に応えるのも当然のことです。
さらには耐震、温熱環境、素材、耐久性、可変性、バリアフリー、ディテール、外構、街並み、経済性、、、それら全てを基本的なこととして抑えねば、リアルさを感じません。
いわゆる大学の卒業設計とは異なり、そこが家づくり学校の目指すところでもあります。
今年度の4年生進級者は、6人。
1年生は座学、2年生は素材や技術の探訪、3年生は幅広い知見を広げる演習。4年生はスタジオ制で、川口通正スタジオ、本間至スタジオ、高野保光スタジオに分かれました。
スタジオとなるアトリエ事務所に通い、各スタジオ講師の持つ住宅設計の神髄が伝授されます。それは、師匠と弟子との関係、そのものです。
この6人の中には、静岡から4年間通った学生もいます。
4年間は長く、その間には出産・育休のため休学した学生もいます。
独立して普段から自己の責任で住宅設計に従事している学生もいれば、
リフォームや大型物件といった新築住宅以外の仕事に従事している学生もいます。
皆さん働きながら、この学校に4年間通い、集大成として、この課題をまとめ上げました。
発表会には、講師陣はもちろんのこと、1年生~3年生、OB、OG達も参加できます。
人の発表を聞くことは、とても勉強になるし、刺激になり、自身の目標設定にもなります。
講師たちの多角的な質疑や意見が飛び交い、多様な価値観に気づく場でもあります。
発表会に聞き入る学生たちの真剣度は凄い。
受講生は、住宅設計が上手になりたい、住宅設計で飯を食いたい、
住宅設計で生き残りたいとの思いで集まってきている面々。
私も毎年参加しているのですが、本当に得ることの多い場なのです。
そして最後に、優秀者が決められます。順位や優劣をつけることが目的ではありません。
個人的な考えなのですが、講評のひとつの在り方として、
学校の指標を明確に提示することが、学生たちにとっての有益なメッセージになるかと。
さらにいうと、評価する側が、実は評価されているという現象が起こるわけですね。
結果のほどは、優秀者一人が選出されました。
住宅メーカーでリフォームの仕事に従事している女性です。
提案力、完成度、総合力といった意味では、他の人の方が優秀だったかもしれません。
審査会は長引き、1時間ほどの時間を要したと思います。
その間、学生たちは教室の外(廊下)で待ちぼうけ。
最終的に運営スタッフ一同で意見合致したのは、この4年間で一番成長したことです。
もちろん彼女の提案には、リアルさ、暮らしやすさ、空間の豊かさも伴っていました。
総評の前に結果発表。その瞬間、会場全体に拍手が湧き起こりました。
特に同期の4年生は、その結果の意味が直ぐに分かったのではないでしょうか。
4年間、一緒に学んだ仲間ですから。
そして4年生の皆さん、本当にお疲れ様でした。
そんな時間と空間と共有し、
最終発表会の後は、各学年の合同修了式に流れ込み、楽しい時間を過ごすのでした。
全員が4年生まで進むわけではありません。
仕事、建築士資格受験、産休・育休など、学生個人の状況は様々。みんな社会人ですから。
休学や復学もOKで、目的に応じた各学年ごとの修学システムをとっています。
だから合同修了式なのです。1年生~4年生みんなに進捗に応じた修了証書が手渡されます。
家づくり学校は、講師陣も各学年も、OBもOGも垣根を越えて、みんな仲が良い。
情報交換をはじめ、課外授業、見学会、卒業旅行など、学年を超えた交流も活発です。
みんな家づくりが、もっともっと上手になりたい向上心を持った仲間なのです。
それにしても、合同修了式には、何人集まったのだろう、、、多かったな。。。
そりゃそうか。8期も続けて、OB&OGも集まったわけだから。
合同修了式を企画してくれた3年生の面々には感謝です。


