古建築 その3 中禅寺薬師堂 | 築紡|根來宏典

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2017年1月19日(木)

古建築 その3 中禅寺薬師堂


最後に訪れたのは、国指定重要文化財『中禅寺薬師堂』。

中禅寺の創建は、天長年間(824~34)。
弘法大師・空海が、雨乞いの祈祷をするために庵を結んだのが始まりとされる
真言宗智山派のお寺です。

薬師堂の建立は今から800年前、平安時代末から鎌倉時代初期と考えられ、
信州最古の建物であります。
方三間の阿弥陀堂。屋根は茅葺で、頂上には宝珠が載っています。

こちらも特別に、内部を見学させてもらうことができました。
内部には四天柱が立ち、その内外で内陣と外陣に分かれています。
内陣は格天井、外陣は垂木を表す化粧屋根裏となっています。

内陣には須弥壇を設け、本尊の薬師如来が鎮座しています。
ありがたいことに住職さんより、
薬師堂や薬師如来坐像のことなどのお話を聞くこともできました。

さて今回巡った「塩田平」は、信州の鎌倉と呼ばれ、
国宝や重要文化財が残る歴史あるエリアです。

国宝に指定されている建造物は、日本全国に221か所あります。
もちろん関西地方(奈良64、京都50、滋賀22、兵庫11、和歌山7、大阪5)に多く、
その数は、159か所にも登ります。

東京近県ですと、福島1、栃木7、群馬1、埼玉1、茨城0、千葉0、東京2、神奈川1、
山梨2、長野5といった感じです。

国宝級の建造物を建てるためには、技術力が必要ですし、
もちろん財力も必要だったことでしょう。
そして、それらを残す文化や時代背景も重要になってきます。

そう考えてみると、首都圏で国宝級の建造物を見学することは、
貴重な体験ですし、学ぶことの多い機会となりました。

根來宏典