左官 その3 漆喰磨き | 築紡|根來宏典

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2016年11月17日(木)

左官 その3 漆喰磨き


少し時間があるとのことで、素人でもできそうな「漆喰磨き」にも挑戦。

磨きとは、鏝を何度も何度も当てて、表面を密にし、磨き上げる技法。
上手く仕上がると、ピッカピカに光った艶が表現できます。
土ものと、石灰ものの2種類に分けられますが、
土ものは「泥大津」「並大津」「大津磨き」、
石灰ものは「石灰クリーム」「漆喰ノロ」「イタリアンスタッコ」などがあります。

大津の由来は、滋賀県の大津で採取される江州白土が磨きに適しており、
その技法が全国に広まったのだそうです。
金額はというと、泥大津<並大津<大津磨きとなり、
大津磨きは高度な技術、知識、経験が必要なことから、限られた職人さんの技です。

肌理の細かな石灰クリームを使い、色づけは掻き落としの時と同じ顔料を使いました。
石灰クリームにも色々ありまして、磨きには#200が向いているそうです。

ポイントは、顔料をよ~く混ぜること。そして薄くぬること。
私の狙いは「瓶覗色」。緑みがかった淡い藍色で、日本の伝統色です。
瓶覗色のお話は、コチラ≫

下塗りの状態で、一度乾かします。みんな個性豊か。
2度塗りの予定だったのです、一度塗りでも大丈夫でしょうとのこと。

鏝は硬いものを使用。あとは磨くのみ。
と言いたいところですが、鏝で磨くのは難しい、、、
左官職人さん曰く「手で磨いた方が、綺麗に仕上がりますよ」と、、、

私は、鏝で磨いたのですが、失敗しました(涙)
漆喰が薄すぎたのか、水の引き具合を誤ったか、鏝の使い方が下手だったのか、、、

さて、ワークショップで得た成果(掻き落とし、漆喰磨き)を並べてお披露目会。
そして、先生方の講評。磨きが上手くいった人もいますね。
左官の世界、その楽しさに、すっかり魅了されてしまいました。

塗りたては、水分を含んでいるので、色がハッキリとしていますが、
持ち帰って時間が経つと、水分が抜け落ち着いた色合いになります。

根來宏典