練馬の住宅 垂れ壁 | 築紡|根來宏典

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2016年4月7日(木)

練馬の住宅 垂れ壁


『練馬の住宅』の垂れ壁が美しい。

階数が2以上の住宅で、最上階以外の階にある火気使用室の内装は、
準不燃材以上の不燃材料で仕上げる制限が掛かります。
IHの場合は必要ありませんが、ガスコンロの場合は必要です。
キッチンだけでなく、ダイニングやリビング、吹抜などもワンルームとして繋がっていれば、全て火気使用室として扱われます。

つまり2階建ての住宅で1階にガスコンロを設けた場合、
それと繋がる空間の内装に木部を現すことができないのです。
でも、こちらの住宅では現しています。

何故かというと、この『垂れ壁』を設けているから。
色々と細かな決まりごとはあるのですが、簡単にいうと天井から50㎝以上の不燃材の垂れ壁を設けると大丈夫という緩和規制があるのです。
垂れ壁の内側は不燃材の必要はありますが、外側までは求められていません。

LDKに空間的一体感を求める場合は、何かを諦めないとなりません。
ガスコンロを諦めるとか、木部現しを諦めるとか、キッチンを独立させちゃうとか、、、
こちらの建主さんは垂れ壁を設けることを選択しました。
それがかえってキッチン廻りの落ち着き感を醸し出しています。

垂れ壁を設けるにも、せっかくなのでデザインに活かしたいもの。
外部と同じ焼杉を貼りました。キッチンの腰壁部分にも同じく焼杉を貼ります。
炭を掻き落とし、黒い塗装を施しているので、煤が手につくことはありません。
焼杉の掻き落としは、杢目が浮き出る浮造りとなっているのが美しい。
写真では、その美しさがお伝えできませんね、、、

根來宏典