群馬の近代養蚕農家建築 | 築紡|根來宏典

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2015年10月20日(火)

群馬の近代養蚕農家建築


10月初旬『群馬の近代養蚕農家建築:小茂田家住宅の見学と解説』に参加してきました。

主催は、私も活動している「日本建築学会関東支部農村建築専門研究委員会」です。
行先は、群馬県伊勢崎市。2004年に国登録有形文化財に登録された小茂田家住宅。
解説は、いせさき街並み研究会の代表であり、
本住宅の登録の手続きや再生工事の設計に携わられた栗原昭矩さんです。

今でも実際に住まわれている住宅で、住まい手さんのご理解のもと、
今回の見学会が開催されました。

座敷に上げていただいて、栗原さんの解説をお聞きしました。
明治初期の建築で、木造総2階建て、櫓等の棟の換気装置、南面した開放的な構造、
などが特徴だそうです。

土間の様子。生活感がありながらも、ギャラリーのような素敵な佇まい。

2階にも上がらせていただいきました。
今は使われておりませんが、立派な小屋組み、広々とした空間は圧巻。

特徴でもある櫓(棟換気)を見あげた様子です。

小茂田家住宅の解説だけでなく、群馬県における幕末から近代の養蚕農家の変遷についてまで展開し、とても有意義なお話をお聞きすることができました。
群馬県の民家の類型には、赤城型(正面中央切り落とし)と榛名型(正面中央突き上げ)があるそうです。その構造的な特徴や発想、名前の由来といった突っ込んだお話まで聞けたので、大変勉強になった次第です。

根來宏典