木材 その2 低温乾燥と山武杉 | 築紡|根來宏典

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2014年12月30日(火)

木材 その2 低温乾燥と山武杉


続いて訪れたのは、同じく新木場にある『榎戸材木店』。

リノベーションしたばかりの素敵な店構えの材木店です。
真新しいギャラリーの杉床に座って、榎戸社長のレクチャー。

創業約100年の材木店で、当初は輸入材の扱い店としてスタート。
1970年代にはツーバイフォーの販売を開始し、
こちらの建物もその当時ツーバイフォーで建てたものだそうです。
ちなみにこちらのリノベは、ここでの引率講師・古川泰司さんが手掛けたもの。

ちなみに現社長のお歳は、なんと29歳。お若い。
先代(現会長)が3年前、現社長の意向を汲み、
主に千葉県産の山武杉を主とした国産材の販売に切り替えたそうです。
そしてさらに先進的なのは、全国に9台しかない低温乾燥機「愛工房」の導入。

見識豊富な会長に登場いただき、乾燥のレクチャーをして頂きました。
天然乾燥、中・高温乾燥(70~90℃)、ドライニングセット(120℃)、
低温乾燥(45℃)の違い、、、その時代背景。

ご自慢の低温乾燥機「愛工房」を拝見。低温なので、乾燥中でも内部に入れます。
木の香りが充満し、サウナの中に入っているような感覚です。
フローリングなどの板材だと、10日弱の乾燥時間なのだとか。

倉庫には、千葉県産の山武杉が転がっています。
山武杉は黒っぽいのが特徴で、重厚感がありますね。
大黒柱として出荷を待つ見事な材もありました。

低温乾燥、山武杉の勉強の後は、楽しいクラフト体験。
イラストを描き、パソコンに取り込みます。

レザーカッターで加工。切断面の黒く焦げた感じが素敵なのです。

素敵な空間で、楽しい時間を過ごしました。
山武杉、低温乾燥の勉強になったのはモチロンですが、
若社長の革新的なチャレンジ精神に強く共感した時間となりました。

以上で、『木材』の紹介は、お終い。
次回1月は、今年度最後の授業『古建築』になります。

根來宏典