和紙 その1 江戸からかみ | 築紡|根來宏典

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2013年1月29日(火)

和紙 その1 江戸からかみ


1月19日(土)は、家づくり学校2年生第8回目『和紙』の授業に行ってきました。

お世話になったのは、上野にある江戸からかみ『東京松屋』。
元禄3年(1690年)より続く老舗の和紙問屋さんです。

江戸からかみは、加飾された和紙。その原点は木版手刷りによる唐紙師。
元禄より伝わる版木も残っております。木彫りの細やかさ、その技術の高さに感嘆です。

ただ江戸は火事が多く、木版だけ需要に応えられないため、
伊勢型紙(渋型紙)を用いた更紗師(さらさし)も活躍。
火事の際は、真っ先にこの型紙を持ち出したり、空襲の時は、土や井戸に埋めたそうです。

さらには、金銀の箔や砂子を使って絵を描く砂子師(すなごし)もおります。
この唐紙師、更紗師、砂子師の3つの加飾技法をもって「江戸からかみ」と呼ぶそうです。

版木の基本は、小判サイズ(約300×450mm)。
このサイズも時代とともに大判化され、約900×360~600mm、
さらには約900×1800mmといった襖一枚分も可能となりました。
これには、版木の大きさだけでなく、手漉き和紙の生産技術とも関連しますね。

見事な和紙も登場しました。人間国宝・岩野市兵衛氏の手漉きによる越前和紙。
高級和紙や人間国宝なんて聞くと高根の花に聞こえますが、手に入る値段で普通に売られている。
失礼な言い方かもしれませんが、紙です。高いと言っても手に入る値段。
要は建築への活かし方次第。決して贅沢な素材ではありません。