根津美術館 | 築紡|根來宏典

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2012年11月15日(木)

根津美術館


先日、青山にある『根津美術館』に行ってきました。

表参道を下って行った突当たり右手に、その美術館は位置します。
広い道路と並行して、『金明孟宗竹(きんめいもうそうちく)』の竹林を配置。街並みに貢献。
桿(かん)は黄金色、一節おきに緑色の太い縦縞が入っている孟宗竹。美しい。

竹林を一歩入ると、竹林とアプローチと建物とが並行に配置されております。
都会のど真ん中とは思えない閑静な雰囲気に一転。
庇が長く、奥行きがあり、建物外壁には竹が貼られ、その連続性をより助長しております。

建物内部の天井は、素晴らしい庭に向かって勾配が付けられ、
その内部空間を暗くすることにより、外部空間へ意識が向かうように設計されております。
低く抑えた軒によって切り取られるパノラマ感が美しい。

屋根は瓦。軒先には鉄板。真・行・草でいうと、行のディテールでしょうか。
瓦の窪みに沿って流れる雨水が鉄板に落ち、局所的に錆が出ている風情に侘・寂を感じます。

根津美術館は、東武鉄道の社長などを務めた初代・根津嘉一郎氏が蒐集した
日本・東洋の古美術品コレクションを保存・展示するため、
二代・根津嘉一郎氏が1941年に開館させた美術館です。

そして現館長・根津公一氏にもと、2009年に新・根津美術館へと生まれ変わりました。
建築の設計・監理は建築家・隈研吾氏です。
根來宏典