戦後は資材が不足し、コンクリートや製材の価格が高騰。
そこで建築家・A.レーモンドは建設現場の杉の足場丸太を柱や梁に転用したのです。
しかし、細い柱、梁だけでは、大きな空間や、開放的な壁面は作れません。
考えられたのは、柱と登り梁をシッカリと接合するために、二つ割りの丸太で挟み込む構造。
こうして『鋏状(はさみじょう)トラス』と言う構造が生まれたのです。
しかも、その安心感をもたらす構造の見せ方も美しい!
そして壁の仕上げ方。ベニヤ板を真鍮釘で打ち付けただけ。
もちろんコストを下げるためでしょうが、その手作り感が、この建築を惹き立たせております。
私も、コストを抑えるために構造体からオリジナルで作る家にチャレンジしたことがあります。
その家の紹介は、コチラ≫
仕上げや設備の価格を抑えようとしても限度があります。
あと考えられるのは、構造体の価格を抑えること。
構造強度を抑えるのではなく、作り方を抑えることですよ。
しかし近年、構造体から考える家づくりは難しくなってきました・・・。
建築家としては、構造体から考える家づくりは、とても楽しいものです。
建主さんにとっても、構造体から考える家づくりは、安心感に繋がるようです。
作り手さんにとっても、腕の見せ所。遣り甲斐があるようです。
三位一体の家づくり。