写真を整理していたら、是非ご紹介したい建物『旧井上房一郎邸』が出てきました。
去年の4月末のことです。
仕事で高崎駅前のホテルに宿泊し、朝チェックアウトをしようとしたら、
知人建築家の森・川村夫婦と、偶然鉢合わせ。何でいるの?って、こっちのセリフですよ。
せっかくなので、お茶でもしましょうよと、近くのカフェで。
ところで「根來さん、旧井上邸は見た?見た方が良いよ」と。
見たことも、存在すらも知らず、時間もあったので、見に行きました。
素晴らしい!森・川村夫婦に感謝!
さて、上の写真は、正門から建物を見た様子。
軒が低く、薄く、深く、軽快で、伸びやかで美しい。
玄関(内)を入ると、その向こう(外)には『パティオ(中庭)』。
ベンチとテーブルが置かれ、居心地が良さそうです。
パティオを挟んで左が居間、右が寝室です。
こちらが、暖炉のある居間。左手が庭園に面した南側の開口。
北側には、障子を設けた明り取りのハイサイドライトがあります。
こちらが、寝室。
テーブルは、レーモンドの奥さんがデザインされたものだそうです。
こちらは、化粧室越しに見る和室。
仕切りは、縁のない襖。『坊主襖』と言います。
その化粧室を見返すと、その向こうには、先程の寝室。
各空間が緩やかに仕切られ連続し、素晴らしい!!!の連続でした。
井上房一郎(1898-1993)の自邸。
東京の麻布に建てられた建築家・A.レーモンド(1888-1976)の自邸兼事務所を写した建物。
井上とレーモンドとの友情の証だそうです。
レーモンドの自邸兼事務所は、現存しないため
(居間部分のみ、参宮橋にある現レーモンド事務所の最上階に移築保存され、一般公開)、
この旧井上邸は貴重なのです。