信州の木 その5 奈良井宿 | 築紡|根來宏典

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2012年6月26日(火)

信州の木 その5 奈良井宿


信州廻りの続きです。

中山道の街道沿いにある奈良井宿へ。木曽十一宿で知られる宿場町です。
長さは約1㎞と日本最長で、今も江戸時代の町並みが残っております。
国の重要伝統的建造物群保存地区にされています。

ここに来て思ったのは、それぞれの建物が個性的。
よく街並みを揃えようと、軒の高さや深さを揃えるとか、
手摺や格子のデザインを揃えるとか言われます。
それがここ奈良井宿では、バラバラでありながら統一され、全体として強い個性を持っている。

では何が統一されているのでしょう、、、
大きな要因としては、新(工業化)建材が、表出していないことだと思います。
出来るだけ使わないようにしながら、ただ今の時代的には使わざるを得ない物もある。
例えば、アルミ製の横樋。使われているが木の幕板で隠されている。
木製建具も残っているが、やはりアルミサッシを使わざるを得ない。
それも木製格子の裏に隠れていて、街並みとしては気にならない。
格子、手摺、ベランダ、木製建具などの素材に樹脂的なフェイクは一切使われておらず、
自然な木の色の変化が街並みを統一しているのだと思います。

さて、お泊まりは、1818年創業の老舗旅籠『伊勢屋』さん。
江戸時代には、下問屋を務めていた奈良井宿を代表する建物です。

玄関を入った所のロビー空間。正面が街道です。

母屋と新館とを繋ぐ中庭。
左手に傘が掛けられており、雨の日はこの傘をさして行き来します。

夕食は、お座敷にて。
木曽アルテックの斎藤社長も駆けつけ、楽しい食事会となりました。

根來宏典