地震、津波、原発、風評などの被害。
復興し始めた地域、復興どころではない地域。
行政、専門家、メディア、ボランティア、現場作業員、視察団、被災者としてのあり方。
都市型漁港(大きな漁村)と小さな漁村集落。
津波被害のあった沿岸部と津波被害のなかった内陸部
強いリーダーシップと住民意見。
増税が現状維持か、脱原発か電力確保か、与党か野党か。
仮設住宅に関する大手メーカーと地元業者、雇用創出、迅速化、大量供給、そもそもの存在意義。
仮設住宅と復興住宅とインフラ整備、予算創出。
戸籍、土地、車や船の登記確認など一律的に片付けられない問題。
更に更に、等等。
瓦礫はまだまだ山積みです。問題も山積しております。どうすればいいんでしょう。
我々計画者にとって、被災状況の規模に大小はありません。
震災に強い計画、エネルギー配慮型の計画は、
被災地ならず、全国、全世界的な課題として露呈しました。
物理的な事象だけでなく、一人の人間としてのあり方や、
人と人との関係性について、良い事象も、悪い事象も露呈しました。
より良い社会づくりを目指して、今回の震災より得られることは計り知れません。
自分自身が出来る目の前のことをコツコツ取り組みながらも、
広くて、深くて、包容力のある理念が必要です。
私の人生観に大きな影響を与えた書籍の一つに、ヘイゼル・ヘンダーソン著の
『地球市民の条件-人類再生のためのパラダイム-』があります。
本書は、バラバラになった世界観を地球規模の新しいパラダイムへと導く思想書です。
今回の震災復興についても、全ての人の意見、考えは的を得ていると思われます。
これは、とても複雑な問題です。
この『複雑』という言葉を『Complicate』とするか『Complexity』とするか。
前者は『混乱』であり、後者は『『豊かな関係性のネットワーク』です。
これまでの断片的なアプローチを再統合できるかが、我々にとっての最大の課題です。
非難し合っている場合ではありません。
お互いの存在意義を認め合い、協力し合うことが大切です。
痛み、苦しみ、喜び、幸せは、皆平等です。