午後からは、埼玉県比企郡ときがわ町にある『畑産業』に訪れました。
上の写真が、機械により穴加工や溝加工ができる優れもののＮＣカッター。
1500万円/台もする高価なものです。
でも、このＮＣカッターは使いたくないそうです。
何故かと問うと「職人だから」だそうです。解るような解らないような・・・。
ＮＣカッターは、量産の際に役立つそうです。
細かい作業や、一品生産の時は手加工の方が早い。
それぞれの良さを活かしつつ、時代の流れの中で試行錯誤しているようです。
工場の中では、建具職人さんがカンナ掛けを。複雑な形状です。
大人数で見つめながら・・・やりずらそう。

建具上部の欄間の製作だそうです。
その向こうでは、畑社長に学生達が質問攻め。
畑社長は、本当に嬉しそうに説明してくれました。

こちらは、畑社長ご自慢の建具に使う材料置場。
建具によく使われるスプルスから始まって、最後は秋田の天杉まで保管されておりました。

同じスプルスでも、カナダ産とアラスカ産があるそうです。値段も見た目も同じだとか。
でも畑社長は、アラスカ産しか使わないそうです。
初めは同じに見えても、カナダ産は半年くらいで色が焼けてくるそうです。
建具業界は、今厳しい状況にあります。
住宅で使われている殆どの建具は、既製の工業製品。建具屋さんが必要ないのです・・・。
社長曰く「建具職人は後継者不足。この5年で90％いなくなる」そうです。
でも、こちらの会社はキチンと育てているとのこと。会社自体が活き活きとしておりました。
根來宏典