心が潤う建築 | 築紡|根來宏典

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2023年4月4日(火)

心が潤う建築

京都・東山にある『佳水園』に行ってきました。1959年に完成した旅館(数寄屋建築)。設計は村野藤吾(1891-1984)さん、リニューアルは中村拓志(1974-)さんが手掛けています。訪れたのは今回で3回目。お部屋は全部で12室(52~100㎡)あり、前々回は「月7」、前回は「花1」、今回は「月2」のお部屋を案内いただきました。前の2回は晴れ間だったのですが、今回は雨模様。”あいにく”と思われる人もいるでしょうが、建築の根源は雨や風をどう凌ぐかであり、雨水が流れる屋根の構成、したたる軒先や足元の様相から学ぶことは多い。それは形態的なことだけでなく、室内での居心地の良さにも繋がっているのが日本建築の素晴らしさだと思います。女将さん曰く「一日中お部屋からお出にならないお客さんもいるんですよ」とのこと。その気持ち分かります。しっとりとした空気感に、心が潤います。雨の日こそ、その魅力がわかる建築。そんな建築を、私も目指したいと思っております。