藤野家住宅の2階にも上げてもらいました。2階にも座敷があり、特別な日に、特別な人しか入れなかったそうです。そこで珍しいタタミを拝見することができました。
『中継ぎ表』といって、一本もののイグサではなく、畳の真ん中で交差させて織り込んだ畳表のこと。古来よりの最高級品。イグサの品種改良が進んでいなかった時代、長いものは手に入れることができませんでした。本当に良質な部分だけを使おうとすると、畳半分くらいの長さとのこと。手織りの特殊な編み方で、現在この技術を持っている職人さんは、いないようです。
良質なイグサと高い職人技術がゆえ、そして使用頻度の少なかった座敷ゆえに残った幻のタタミ。しかと目に焼き付けてきました。