高瀬川畔の数寄屋 | 築紡|根來宏典

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2022年7月4日(月)

高瀬川畔の数寄屋

京都・高瀬川の畔に佇む数寄屋。明治25年、伊集院兼常によって建てられました。後に伊集院は對龍山荘に居を移しますが、南禅寺界隈の別荘文化へと繋がっていく前の近代数寄屋。その後は住友財閥の初代総理・廣瀬宰平の長男・満正が所有し、臨済宗の寺院として今に至っています。

 

高瀬川から水の流れを取り込んだ池泉の庭園で、お庭に向かって張り出す土間軒が特徴的。その深さは3mもあり、軒裏には北山杉の垂木は並び、一本の丸太桁で軽快に支えています。広間、茶室、書院は雁行して配置され、奥行きを感じます。茶室は三畳中板入で、池泉にせり出し、円窓も印象的。

 

こちらの建物、前々から見たいと思っていたのですが、公開されておらず諦めておりました。今回、見学する機会を見つけてくれたのは、うちの学生。私が数寄屋大好きなのを知っていて、教えてくれました。孝行者の学生を持って、幸せです。