ソウルフードのお話を、もう一つ。半世紀ほど前のこと、和歌山では廃バスを改装して、ラーメン店にすることが流行った時代がありました。現在県内に残っているのは、ここだけのようです。
お姉さんが一人で切り盛りしています。元々はお婆さんが開いたお店で、お母さまが継ぎ、今はその娘さんが継いでおります。私が知るのは、お婆さんの時代。私の元実家は、ここから徒歩2分のところなのです。久しぶりに足を踏み入れてきました。お姉さんとの昔話が楽しくなり、ラーメン一杯のつもりが、おでんとビールも戴くことに。ラーメンは、和歌山ラーメン特有の醤油トンコツなのですが、井出系とも、車庫前系とも違った独自のもの。あっさりしていて、とても美味しい。和歌山ラーメンが有名になる前からの、和歌山ならではのラーメン屋さんであり、時代を残すバスラーメン最後の砦なのです。