午後からは、東中野にある「富沢建材」さんに移っての授業。
左官屋さんが左官材を買い付ける建材屋さんなのですが、
富沢社長が早い段階から左官職人さんへの支援に力を入れ、
材料だけでなく、人が集まり、情報が集まることから、
左官のメッカとも言われている場。
左官の指南役には、若手のホープ・古川元章さんをお招き。
まずは古川さんの作品を見せてもらい、左官の可能性に夢を広げます。
そして左官の世界を体験するため、各自『掻き落とし』という技法にチャレンジ。
基材となる白セメントと石灰に、各自が自由に骨材を加えて調合。
セメントは硬化が早く、石灰は硬化を遅らせる働きがあります。
事前に「左官に混入する独創的な骨材を持ってきてもらいたい」
とアナウンスしてありました。そういったものも骨材として混ぜていきます。
貝殻、ドングリ、ビーズアクセサリー、ワッシャー、アルミ箔、紐、漂白剤、お茶っ葉、カレー粉、タンポポ、、、まだまだユニークなのがあるのですが、特許侵害になりそうなので公表するのは止めときます(笑)
こちらはワタクシメの調合。
基材(白セメント+石灰)+小原砂+黒寒水+藁。シンプルに。
寒水は掻き落としにテクスチュアを付けるために、よく用いられる白い骨材。
岩石でいうと、大理石の分類に入り、それを細かく砕いたもの。
黒寒水はその黒なのですが、黒ダイヤとも呼ばれ、その漆黒が幻想的。水槽の底砂として敷くと、比重が重いので砂が舞わず、お魚さんたちの発色が引き立ちます。
小原砂は白っぽい砂。砂や土の左官というと茶色っぽいものをイメージしますが、
目指すのは明るいイメージの白い壁。そこに黒いダイヤが浮かび上がるように。
さてさて、各自いろんな思いを込めて、30㎝角のパネルに塗り込んできます。
厚い骨材は、左官の厚みの中に塗り込むのが難しいし、
細かな骨材は、左官の中に埋もれてしまいます。
掻き落とした際に、各自が持参した骨材が上手く表れるかどうか、、、
左官の水引きを見極め、いよいよ掻き落としの作業。
基本はブラシで掻き落とすのですが、毛先の硬いもの、柔らかいもの、細いもの、太いもの。ブラシを一方方向に引く人もいれば、円を描くように掻き落とす人も。
細かな骨材の場合は、水を吸わせたスポンジで丁寧に表面を叩きます。
掻き落とし方にもそれぞれの個性が出るのが面白い。
イメージ通りに行った人、行かない人、予想外に上手く行った人、、、
笑いの絶えない時間でした。