掻き落とし@左官 | 築紡|根來宏典

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2018年11月1日(木)

掻き落とし@左官

午後からは、東中野にある「富沢建材」さんに移っての授業。

 

左官屋さんが左官材を買い付ける建材屋さんなのですが、

富沢社長が早い段階から左官職人さんへの支援に力を入れ、

材料だけでなく、人が集まり、情報が集まることから、

左官のメッカとも言われている場。

 

左官の指南役には、若手のホープ・古川元章さんをお招き。

まずは古川さんの作品を見せてもらい、左官の可能性に夢を広げます。

 

 

 

 

そして左官の世界を体験するため、各自『掻き落とし』という技法にチャレンジ。

 

基材となる白セメントと石灰に、各自が自由に骨材を加えて調合。

セメントは硬化が早く、石灰は硬化を遅らせる働きがあります。

 

事前に「左官に混入する独創的な骨材を持ってきてもらいたい」

とアナウンスしてありました。そういったものも骨材として混ぜていきます。

 

貝殻、ドングリ、ビーズアクセサリー、ワッシャー、アルミ箔、紐、漂白剤、お茶っ葉、カレー粉、タンポポ、、、まだまだユニークなのがあるのですが、特許侵害になりそうなので公表するのは止めときます(笑)

 

 

こちらはワタクシメの調合。

基材(白セメント+石灰)+小原砂+黒寒水+藁。シンプルに。

 

寒水は掻き落としにテクスチュアを付けるために、よく用いられる白い骨材。

岩石でいうと、大理石の分類に入り、それを細かく砕いたもの。

黒寒水はその黒なのですが、黒ダイヤとも呼ばれ、その漆黒が幻想的。水槽の底砂として敷くと、比重が重いので砂が舞わず、お魚さんたちの発色が引き立ちます。

 

小原砂は白っぽい砂。砂や土の左官というと茶色っぽいものをイメージしますが、
目指すのは明るいイメージの白い壁。そこに黒いダイヤが浮かび上がるように。

 

 

 

さてさて、各自いろんな思いを込めて、30㎝角のパネルに塗り込んできます。

 

厚い骨材は、左官の厚みの中に塗り込むのが難しいし、

細かな骨材は、左官の中に埋もれてしまいます。

掻き落とした際に、各自が持参した骨材が上手く表れるかどうか、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

左官の水引きを見極め、いよいよ掻き落としの作業。

 

基本はブラシで掻き落とすのですが、毛先の硬いもの、柔らかいもの、細いもの、太いもの。ブラシを一方方向に引く人もいれば、円を描くように掻き落とす人も。

細かな骨材の場合は、水を吸わせたスポンジで丁寧に表面を叩きます。

 

掻き落とし方にもそれぞれの個性が出るのが面白い。

イメージ通りに行った人、行かない人、予想外に上手く行った人、、、

笑いの絶えない時間でした。