最後に訪れたのは、東京都昭島市にある建具屋『荒川木工所』さん。
先の見学先で質問や解説に熱が入り過ぎ、、、
すっかり日が暮れての遅い時間の到着となってしまいました。
手づくりの建具を全般的に得意としているのですが、限られた時間ですので、
障子に的を絞り、その形状や組手のことを分かりやすく教えてくれました。
家づくりの会の木製防火建具研究会と一緒に木製防火建具の開発をした建具屋さんです。
その建具の仕掛けを説明している様子。
建築家の建具らしく框が細い、隠し框、機能とこだわりが詰まった美しさ。
モックアップなので小さなサイズですが、最大w2.85m×h2.40mで認定を取っています。
この防火建具の凄い所は、デザインだけではありません。
一部のメーカーでも木製防火サッシを生産していますが、それはそのメーカーでしかつくることができません。それに対しこちらは、どこの町場の建具屋さんでもつくれる仕様、認定の取り方になっており、技術のオープン化を目指しています。
素材についても、杉以上の密度であれば何でも使えます。
この開発が始まって10年程、ようやく実現できるようになった訳です。
私もこの建具の開発過程を知っているだけに、このモックアップを見て感動一入。
町場の建具屋さんの元気を取り戻すことに寄与できると良いですね。
建具屋さんに足を運んだことのある設計者は少ないのではないでしょうか、、、
今の住宅で使われている殆どの建具は既製の工業製品であり、技術が衰退しつつあります。
特注品と既製品、手加工と機械加工、伝統的なものと現代的なもの、どちらが良いということではなく、相互の良い所を活かすことの大切さを学んだ一日となりました。