鉄平石 その3 巨大な鉄平石に思いを馳せ | 築紡|根來宏典

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2017年7月20日(木)

鉄平石 その3 巨大な鉄平石に思いを馳せ


最後に訪れたのは、茅野市にある『神長官守矢資料館』。

現代的な建築における鉄平石の使い方を見学。
1991年竣工、設計は藤森照信氏+内田祥士氏。
屋根には、鉄平石が葺かれています。

飛び石のように敷かれた鉄平石のアプローチ。

分岐点には、水路を跨ぐブリッジも兼ねて巨大な鉄平石を配置。
その巨大な石と建物の間にも大きな鉄平石が2枚鎮座しています。
どのように運び、どのように据えられたかと思うと、ワクワクしますね。

水路の蓋も鉄平石。
駐車場との間を行き来する通路にもなっています。
薄い板ですが、人が載ってもビクともしません。

内部と外部の境。引戸はありますが、敷居は敷かれておりません。
人の出入りする摩耗が激しい部位。そういった部位には、硬い鉄平石を敷く配慮を。
気持ちが切り替わる結界のようでもあります。

今回は、鉄平石の探訪ということで触れませんが、
もちろん近くにある藤森氏設計の茶室「空飛ぶ泥舟/2010竣工」と、
「高過庵(たかすぎあん)/2004竣工」も見せて頂きました。

これにて『鉄平石』の紹介は、お終い。
8月は夏休み。次回9月は、2年生4回目『瓦』の探訪になります。

根來宏典建築研究所