首都圏のプレカット工場 | 築紡|根來宏典

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2017年2月7日(火)

首都圏のプレカット工場


KINOIESEVENメンバーで、千葉県柏市にある万代さんのプレカット工場を見学。

プレカットされた見事な柱。吉野杉です。
こちらの工場の現状では、無垢製材:集成材=3:7だそうです。

プレカット前の製材。グレーディング(強度表示)された強度の高い製材が並んでいます。
グレーディングを行っている製材を調達するのは、現状では難しい問題もあり、
集成材の需要が増えたのは、コストだけの問題ではないと感じています。

プレカット工場の心臓部ともいわれるCAD室。
入力された図面データは、プレカットする機械と連動しています。
司令塔とも言えますね。

難しい設計において、機械加工できない場合があります。
その時に必要になるのが手加工。その職人さんを一人置いております。
難しい仕事は、こちらの職人さんの腕一本に掛かっています。

床の合板もプレカット。
近年、建物の耐震性が求められていますので、
床合板は建物を構成する上で、重要性な部位となっています。

こちらの工場で遭遇した低温減圧動除湿式木材乾燥機。
千葉県には、木材の乾燥機が2基しかないと言われており、
その内の1基に、まさかここでお目見えするとは、、、嬉しくなりました。

もう一台は他の会社なのですが、そちらは高温乾燥機だそうです。
乾燥された製材が納入されてくると考えれば、プレカット屋さんに乾燥機は必要ないのですが、それでも必要な時があるのだそうです。かなりマニアックなプレカット屋さんですね。

日本国内には、有数の木の産地があります。
山から木を伐り出し、製材し、乾燥させ、プレカット工場に持ち込まれます。
プレカット工場は、製材屋さん直営の場合もありますし、
製材屋さん近くのプレカット屋さんに分担される場合もあります。

プレカット工場が産地近くにあった方がメリットある場合もあれば、
工事現場近くにあった方がメリットある場合もあります。
ケースバイケースだと思うのですが、その可能性やネットワークを広げるのが今回の課題。

首都圏でプレカット工場を営むのは、土地代、設備投資、大手さんとの競合を考えると難しいことと思います。我々首都圏で住宅設計しているものから見れば、
近場にあり、かつ小回りや融通が効く、プレカット屋さんは有難い存在です。

そういえば、告知するのを忘れていました。
KINOIESEVENが企画している「木の家のTERAKOYA」。
木の家は地震に強い、木の家は長持ちする、木の家は快適、木の家のコスト、
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すでに第二クールに入っており、そのトリを務めます。
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根來宏典