古材・再生素材 その1 木質系廃材 | 築紡|根來宏典

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2016年11月4日(金)

古材・再生素材 その1 木質系廃材


先日、家づくり学校2年生の授業で『古材・再生素材』の授業がありました。

はじめに訪れたのは、新木場にある『東京ボード工業』さん。
パーティクルボードを作っている工場です。
パーティクルボードとは、木材をチップ化し、
これを安全・健康に配慮された接着剤で再結合させた木材製品。
寸法や価格の安定性に優れており、システムキッチンや収納家具、マンションの置床など、
私たちの暮らしの身近なところで多く使用されている建材です。

その原料となるのが、100%木質系廃材。
型枠、パレット、木製家具、造作端材、フローリング、植木、割りばし、、、
CO2削減や循環型社会の実現という意味では、欠かせない取り組みでもあります。

持ち込まれた廃材には、釘などの金属も交じっております。
それらを丁寧に取り除くのも、大変な作業だと思います。

厳ついカッターで粉砕され、チップにされます。

そのチップが製造ラインでボード状に固められ、製品化。

厚みは20mm。シビアにコンピューター管理されています。

F☆☆☆☆(フォースター)の印字がされ、出荷されます。
フォースターとは、シックハウス症候群を引き起こす原因とされる
ホルムアルデヒドの発散量を表す最上位の等級です。

産廃のリサイクルは、地球規模での環境問題であり、
こちらでは大量の受け入れ要求があり、生産量を年々増加しているそうです。
今後は、耐水性の向上や、耐力壁にも使えるボードとしての開発も試みているとのこと。

リサイクルやエコというと、環境に優しく、クリーンなイメージですが、
その生産現場に足を運んでみると、実際はシビアな現実を感じます。
自分たちの作ったものが、その役目を終えた時のことまで想像しておくことは、
設計者にとっても大切なことだと思います。

根來宏典