先週、バラガンのお話をしましたが、建築家・齋藤裕氏とメキシコの建築繋がりのお話を、もう一つ。
大学を卒業後の修業時代2年目のこと。
『ギャラリー間』という建築のギャラリーで、『Felix Candela展』が開催されました。
ギャラリー間は、勤めていた事務所から近い場所にありましたので、
お昼休み(休みのない就労環境でしたので)を使って、何かの開催毎に見に行っていました。
そこで目にしたキャンデラの世界に衝撃を受けました。魅了されました。
上の書籍は、その展示会と同時に発売された
齋藤裕監修による『フェリックス・キャンデラの世界(TOTO出版)』。
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修業時代の私のは高額な出費でした・・・。
キャンデラ(1910-1997年)建築の特徴は、なんと言ってもHPシェルという構造。
しかもその薄さは、薄いところで15mm、厚いところで40mmと驚異的。
コンピューターの無い時代においてですよ!
そして、そのHPシェルの間から差し込む光の美しさ。
キャンデラの建築は、今もメキシコに多く残っております。
メキシコは、地盤の弱い国。1985年のメキシコ大地震(マグニチュード8.1)においても、
キャンデラの設計した建物は全て無傷だったそうです。
日本におけるHPシェルの代表といえば、丹下健三による東京カテドラルですね。